LED点滅回路
(1) TTL IC発振回路による交互点滅回路:
(* 電源装置の無い方も、電池ボックス(1.5V×4本=6V)でそのまま実験できます)
TTL ICの NOT回路とC、Rを用いて発振回路を作り、出力を小電力トランジスターで増幅する。(小さいLEDならばICから直接光らせることができる)
* C、Rがそれぞれ同じ場合は、半周期 T = −CR ln(VL/VH)
TTL ICでは、”H”、”L”状態を認識する動作電圧(スレシホールドレベル)は、VL = 1.4V、VH = 4.5V 程度より、
T ≒ 1.17C(F)・R(Ω)
∴ 発振周波数 f = 1/(2T) = 0.42/(C・R) ・・・・ C
= 50μF、R = 0.02MΩ で、4(Hz)程度
C、Rがそれぞれ異なる場合は、 f = 0.84/(C1・R1 + C2・R2)
(* Cがこの位で、VRは500Ω以下では 74LS00は発振しなくなる)
(2) タイマーIC(555)によるタイマー、発振回路:
タイマーIC555は、@ 単安定マルチバイブレータ(=タイマー、R1個・C1個直列)、及び、A 無安定マルチバイブレータ(=発振器、R2個・C1個直列)として使用することができる。
IC内部の抵抗によりVccが3分割され、スレシホールド(6ピン)が、<1/3Vccのとき
FFのS=”H”(セット状態)、>2/3Vccのとき FFのR=”H”(リセット状態)。
@ 555タイマー:
遅延時間 T は、C、Rの組み合わせによって数μS〜数時間まで幅広く設定できる。
T = −CR ln(1/3) ≒ 1.1C(F)・R(Ω) ・・・ 1μF、1MΩで約1秒
A 555発振器:
T = 0.693C(R1+2・R2): C(F)、R(Ω)、 TON = 0.693(R1+R2)、 TOFF = 0.693・R2、 T = TON + TOFF
B 複数の555発振器の結合によるFM変調:
回路図左の低い周波数の発振出力(3ピン)を、結合コンデンサーで右の原発振(基音)に入れると(5ピン)、コントロール電圧が変動してFM変調する。
(発振器3個をつなげると”おばけサイレン”(?)になる)
§ すべてのデジタル発振回路は、マルチバイブレーターが構成する論理的「不定」状態を時間で掃引(そういん)する構造になっています。この「不定」状態は、言語の場合「矛盾」、数学基礎論では「不完全性」、アルゴリズムでは「無限ループ」に相当します。そして、時間軸方向で論理的な”H”、”L”状態を永続的に繰り返す、すなわち、デジタル発振器のような状態になっているのです。
デジタル回路の場合、時間は、充・放電の指数曲線 i = (V/R)e−t/RC のコンデンサーCと抵抗Rをパラメータとする「時定数」 τ = RC によって規定されます。
(→ 参考: コンピューターと神、 電子回路の相互言及 ; 自己言及と不完全性定理、 不完全性定理(第1定理)の証明)